近年、デジタル技術の進展と共に、医療現場における臨床試験の形態も変化しております。DCTは、従来の中央集約型試験と異なり、被験者が自宅や勤務先など任意の場所から参加可能なリモート型臨床試験の新たなアプローチです。これにより、地理的・時間的制約が解消され、多様な対象者の参加と試験の柔軟な運営が期待されます。
DCTの定義と背景
定義:
DCTは、最新のICT技術を活用し、物理的な試験施設に依存せずに臨床試験を実施する方法です。オンラインで医師とのコミュニケーションを行い、ウェアラブルデバイスやモバイルアプリ、必要に応じて看護師の訪問などにより、リアルタイムで健康データが提供されます。
背景:
COVID-19パンデミックを契機に、非対面での医療提供やデータ収集の必要性が高まり、従来の対面型試験の課題解決策としてDCTが注目されています。
DCTのメリットと主要技術
- 柔軟な参加:
被験者は遠隔地からでも参加可能で、地域や時間の制約を超えた募集が実現します。 - リアルタイムなデータ収集:
ウェアラブルデバイスやスマートフォンを用い、継続的かつ正確な健康データの取得が可能です。
【主要技術】
- テレメディシン: オンライン診断・相談により、遠隔医療を実現。
- ウェアラブルデバイス: 生体情報を自動記録し、リアルタイムで共有。
- 電子同意(e-Consent): 安全かつ迅速にインフォームドコンセントを取得。
- ePRO: 被験者による健康状態のデジタル報告をサポート。
当社のDCT支援サービス
株式会社neuron portは、Perserise社との提携を通じて、DCTに関する全プロセスの支援体制を整えております。具体的には、以下のポイントに重点を置いてサービスを提供しています。
- 効率的な被験者募集:
最新のデジタルマーケティング技術と広範なネットワークを活用し、最適な被験者の確保を実現します。 - 高品質なデータ管理:
専門のデジタルツールと安全性の高いクラウドシステムにより、データの正確性と信頼性を保証します。 - 円滑なコミュニケーション環境:
医師、被験者、試験運営者間の情報共有を効率化し、テレメディシンやリモートモニタリングを支援します。 - カスタマイズ可能な試験運営:
各試験の特性に合わせた柔軟な運営プランを提供し、迅速な対応を可能にします。
なお、現状ではDCTサービスはすぐに実施できる段階にはなく、将来的な展開に向け、中長期的なロードマップを策定しています。
今後の展望
DCTは、臨床試験の未来を切り拓く革新的な手法として、今後さらなる普及が見込まれています。株式会社neuron portは、最新技術と専門知識を基盤に、技術動向や規制変化に柔軟に対応し、より安全かつ効率的な臨床試験環境の実現を目指します。将来的には、DCTを中心とした臨床試験支援サービスの進化を通じ、医療革新に貢献してまいります。
DCTは、従来の臨床試験に革新をもたらす可能性を秘めた取り組みであり、当社はこの新たな手法を通じて、より多くの患者様へ迅速で安全な医療サービスを提供していく所存です。